• 2017-04-14

2017年の大学生登山リーダー春山研修会は参加学生は27名と実技講師11名で行われました 

2017年 春山登山研修報告 大堀
学生47名を5つの班に分けて1週間の研修が行われました。
入山中の剣岳では、快晴から雨、みぞれと変化に富んだ気象条件で充実した研修となりました。

快晴の剣岳をバックに雪上訓練や読図

 快晴の剣岳をバックに雪上訓練
 読図
リーダーとして全体のペース作り、安全なルート取りなどを意識してもらいます。
 平蔵谷上部で隊列を組んで登ります
 山頂直下のエビルンゼにて。
訓練の成果を発揮して、ロープを使って安全に危険個所を通過します。
しかし山頂は折り返し地点なので、まだまだ油断はできません。
 頂上までもう少し。
講師も同行していますが、あくまで学生主導で登ってきました。辛かった訓練が報われる瞬間です。
剣岳山頂にて。
そんな天候の中でも訓練は行われます。
 下山日は雨時々みぞれ。
安全のための技術はたくさんあるので、様々な訓練を行います。
 残置物を残さず下降するためのボラード支点の訓練
 下山後は今回の研修で得た事の出来たことをまとめます。
 計画~登山~下山後の振り返りで、初めてその山は完結します。 
講師として初めて参加して研修でしたが、自分自身も学生から良い影響を受けることが出来ました。1週間の研修を終えた研修生は、これからそれぞれが所属する部を盛り上げて行くリーダーとなります。彼らは研修前の右も左もわからない不安げな顔から、目標を見据えた成長した姿で研修を終えることが出来ました。
これからの登山界を担う彼らの活躍と成長に期待です!

写真:実技講師 高村真司
文:実技講師 大堀泰祐


平成2811日~平成28116日 安全登山普及指導者中央研修会 第2回 読図・ナビゲーションコースが行われました。河合講師からのレポートが入りましたのでご報告いたします。

「地図とナビゲーション」と題した私の講義は、地形図の等高線の表現力を伝え、情報量の多さを体感することにより、地形図に興味を持っていただきたいと考えた。しかし、地図の等高線の表現力を伝えたいという思いが、なかなかうまく伝わらず、講義の内容がマニアックになりすぎていたのではないかと心配している。
山座同定の研修_
初日は、講義とコンパス使い方、翌日の行動する登山ルートのムカデ地図(ルート上の特徴物の洗い出し)の作成を行った。
コンパス操作の研修
2日目は、長尾峠~長尾本道~大辻山~鳥越峠のルートを選んだ。昨日作成した「ムカデ地図」を用いて予測が正しいかどうかを確認しながら進む。研修生が予測することができなかった、小さな微地形は地図上ではどのような等高線の表現力になっているのか説明した。
読図の実技が終わると次に、研修所でGPSの使い方やカシミールの説明を大西先生に行っていただき、とても興味深い内容であった。その後、2日目の振り返りと最終日に行われる「藪こぎルート」の検討を各班に分かれ行った。
夜は、瀬木先生の概念図の講義があり2日目は終わった。
藪こぎ(読図実習)へ
3日目は長尾山をスタートし、ライオンズの森をゴールとする「藪こぎ実技」を行った。予測がしっかりできないと目的地には到達できない。また、「思い込み」があると現地確認はうまくいかない。研修生は真剣に学んでいたのが印象的であった。
大辻山からの剣岳_
最終日の講師の反省会の中で出された意見として、この登山研修所の読図・プランニングコースの研修プログラムは充実した内容であることが確認された。しかし、「読図」に特化しすぎると、安全登山から離れてしまう可能性もあるので登山という本質を忘れてはいけないという意見もあった。自分もその通りだと思うし、研修全体を通じて安全な山登りを伝えていければいいなぁと感じた。



平成2811日~平成28116日 安全登山普及指導者中央研修会 第2回 登はんコースが行われました。河竹講師からのレポートが入りましたのでご報告いたします。

晩秋の秋晴れの中、登はんコース21名、読図プランニングコース12名の参加のもと、11月4日から6日の2泊3日の日程で第2回安全登山普及指導者中央研修会は開催されました。
私は今回初めて登はんコースを担当することになり、研修会前から緊張していました。そのような中、小林亘講師と一緒に組ませていただき、自分自身とても勉強になることばかりでした。改めて自分自身の目指すべき指導者像というものが見えてきた気がします。
 さて、私たちの班における研修の内容です。1日目は笹倉講師による確保理論の講義に始まり、ミーティング、装備チェック、ロープワークの確認などを行いました。
 2日目の始めに、人工岩場でトップロープを使用して登下降の練習を行いました。ロープで転滑落の被害の拡大を抑える以前に、岩場等の悪場で転滑落をしない、安定した動作ができることがまずは重要であると考えたからです。ポイントは大股ではなく、小刻みに登ることです。この練習を通し、研修生の歩き方は見違えるように良くなりました。その後、確保練習の前段階としていくつかの基本動作を確認し、安全確認をした後64㎏のおもりを落下させて確保訓練を行いました。
分散した2支点の加重を測定
午後からはリード&フォローの練習を行いました。雑穀谷に行き、ピトンの打ち方、灌木を束ねての支点の取り方を練習し、自然の岩場におけるアンカー構築の方法を研修しました。
夜は笹倉講師と北村主任講師による支点にかかる負荷の実験と講義がありました。V字の各支点にかかる分散加重を、120度・90度・60度とそれぞれ計測し、ほぼ計算値通りに加重がかかることを確認しました。また、アメリカン・デス・トライアングルが如何に危険かも、実験により改めて確認することができました。
 3日目は前日の復習を行い、その後ガイドモードの解除と懸垂下降を研修し、3日間の研修を終了ました。
所内トレーニング壁での研修
 3日間を通して繰り返し伝えてきたことは、危険に対するアンテナを高くすることと、ロープを使う際には制動手を絶対に離さない、ということです。ロープを使うということは自分の命を守るのと同時に、相手の命も守る責任があります。ぜひ、研修生の皆さんには、これからも危険に対するアンテナを高くし、安全な登山に心がけていっていただきたいと思います。
 最後に自分の感想になります。研修生の皆さんもそうでしょうが、この研修会は自分自身にとっても錬成の場になっています。周りの講師陣は素晴らしい経歴と指導歴の持ち主ばかり。また研修生の皆さんの意欲も高く、周りの足手まといにならないよう必死に研修に取り組むことで、何より自身が大きく成長できている気がします。このような機会をいただき、本当に感謝です。


平成281015日~平成281016日 講師研修会(救助技術)Ⅱ が講師16名によって行われ、引き続き平成281017日~平成281021日に「平成28年度 山岳遭難救助研修会」講師16名 研修生47名の参加のもと実施されました。小林講師からのレポートが入りましたのでご報告いたします。

1017日からの山岳遭難救助研修会を前に、参加講師の技術向上をはかり、運営方針や技術について共通認識を得るため2日間の研修を行いました。
初日午前中には、ガーディアン研修について意識をすり合わせ、実行可能な研修方法を探るための協議を行いました。ガーディアン研修は、研修生が救助の訓練そのものを安全に運営するためのガーディアン(監視役)となり、一歩ひいた目で訓練を監視することで、実際の山岳救助の活動においても危険を予知し、回避できる観察力を養成しようとする試みです。登山や山岳救助の長い経験を通して山岳地帯の危険を無意識のうちに予知、回避している講師陣にとっては、山岳地帯での活動に不慣れな研修生も認識できるようになるには具体的にどんな手法で研修を行えば良いのかが目下の課題です。午後は人工岩場にて個別の技術の確認を行いました。
講師研中州救助
二日目は、称名川での中州救助の訓練をとおして、自然物利用のアンカー構築や索道による搬送の実際について繰り返し訓練を行いました。
講師研索道救助
初日17日は確保理論の講義、屋外の人工岩場周辺で自然物利用のアンカー構築の実習を行いました。
2日目は時折強い雨が降り、一時は研修の中断を強いられる班もありましたが、現実の救助に天気が都合を合わせてくれることはないのだと、多くの班が敢えて雨の中で実技研修を行いました。全班とも、主に基本技術の研修を行った一日でした。
救助研想定訓練ルート確認
 3日目~最終日は天気に恵まれ、各班とも材木坂、称名川沿いの各谷、大日岳方面、瀬戸蔵山方面、大辻山方面と広いエリアへ精力的に出かけ、険しい山岳地形での行動研修、想定訓練の反復に明け暮れました。この中でガーディアンについても各班工夫して研修を行い、訓練全体を見渡すことで色々なことに気付くことができたという声があり、成果が感じられました。
 夕食後にも班ごとにその日の振り返り、翌日の研修についてのミーティング、トレーニング室のクライミングウォールを利用して実技の予復習が行われました。とても中身の濃い5日間になりました。研修生に限らず、講師も日々研修内容の充実に力を尽くし、自身にとっても技術の研鑽、新しい発見ができた研修会でした。
救助研想定訓練

2016年10月15「改訂版 確保技術ハンドブック」200部を国立登山研修所に寄贈しましたのでご報告します。

国立登山研修所設立50周年記念事業として、昨年「確保技術ハンドブック」を作成し登山研に寄贈しましたが、この度内容を一部改訂して200部増刷しました。
10月15日、友の会渡邉会長からその増刷分200部を新たに宮崎登山研修所に寄贈いたしました。
贈呈式には、小林事務局長も列席しました。

2016年9月28日~30に平成28年度山岳遭難技術講師研修会が行われました。新井講師よりレポートが入りましたのでご報告します。

今回の研修会は、大韓民国国立公園管理公団北漢山生態探訪研修院登山学校の関係者6名を招聘しての合同研修となりました。
研修参加者集合
1日目、研修を始めるにあたって、研究協議テーマとして「ガーディアン研修」についての認識と情報の共有が図られました。これは、実際の山岳救助現場において安全に救助活動することができる能力を養うための研修方法で、この研修会を通じて山岳遭難救助に内在する危険に対する「気づき」をより深く検証してガーディアン研修の研修手法を再度検討していくことが確認されました。
 1日目の午後には、「山岳地帯のアンカー」、「低体温症」、「登山者の高齢化」、という3つのテーマを設け、日韓の講師による意見交換が行われました。また、搬送要綱について日本の講師から低体温症を想定した搬送、韓国の講師からはロープバスケットを利用した搬送の実技が行われ、意見交換が行われました。
研修開始前のロープチェック
2日目は、「山岳地帯のアンカー構築」「引き上げ救助」の実技研修が行われました。
山岳地帯には用意されたアンカーはなく、自然環境のなかで自ら強固なアンカーを構築しなければなりません。そのような環境の中で構築可能なアンカーとして、石はち、草どり、デッドマン、立木の枝や根を用いたアンカー構築の技術を研修しました。
 その後、それらのアンカーを利用しての引き上げ技術の研修を行いました。
ブリッジ線を設置しての救助
支点構築(立木にメインロープ)
3日目には、「ブリッジ線作成」の実技研修、「ガーディアン」についての協議が行われました。ブリッジ線作成では、アンカー構築の際に積極的にメインロープを使用するなど、より安全な技法について検証・確認を行いました。
 最後に、ガーディアン研修についてまとめの協議を行い、3日間の講師研修会を終えました。
支点構築(土嚢)
低体温症対応の搬送研修 
来る10月17日~21日に行われる平成28年度山岳遭難救助研修会において、今回の講師研修会の成果を反映させていく所存です。

2016年8月27日~9月2日に平成28年度大学生夏山研修会が行われました。増本講師よりレポートが入りましたのでご報告します。

参加研修生は30名、講師は主任・副主任・医療・実技・講義合わせて20名、総勢50名での研修会となりました。
 今回の研修会は、非常に強力な勢力の台風10号の上陸が山中2日目に予想され、宮崎所長、鈴木主任、山本副主任、渡辺アドバイザーを中心にミーティングを重ねた末、剱岳への入山を中止するという判断がなされました。このような事例は本研修会49年目にして初めてのことでした。異例の状況の中ではありましたが、講師陣は創意工夫を凝らし、各班の研修生に合わせた研修場所・研修内容を組み立て、剱岳で行われる研修に劣らない効果的な研修が進められました。剱岳へ入山できなかったことは研修生だけでなく講師にとっても残念なことではありましたが、その分時間的な余裕が生まれたことを、どの班も最大限に活かし、基礎技術の反復に重点を置くことができました。
大日岳稜線からの剣岳
剱岳に入山できないという想定外の研修会ではありましたが、いつもと変わらずどの研修生にも大変充実した内容の濃い7日間であったのではないかと思います。研修生には今回学んだことを糧に、自分達のクラブで剱岳を目指してくれることを願っています。
称名の滝
大日岳稜線から立山三山方面
大日岳へ
大日平
大日平から大日岳へ
 最終日には「部の抱える課題と解決策」というテーマのもと全体協議が行われました。研修生一人一人の発表後、多く挙げられた課題に対して全体で意見を交換するという流れで行われました。〈技術の伝承〉、〈部内での格差(技術、体力、モチベーション〉という課題を中心に活発なディスカッションとなりました。〈技術の伝承〉においては、ただ単純に技術を部のメンバーに伝えるのではなく、なぜその技術を使うのかという理論の裏付けが重要である、伝えた技術を反復して訓練する、その技術を使用する山行を積極的に組み立てるなどの解決策が挙げられました。〈部内での格差〉には山行以外のトレーニングを全員参加で定期的に行う、トレーニングメニュー・訓練山行の見直しなどの解決策が挙げられました。トレーニングを厳しくすることでやる気のない部員がついて来ないという不安を口にする研修生がおりましたが、講師からは「山という生死の懸かった厳しい環境での活動を考えれば厳しいトレーニングは絶対的に必要で、やる気のない者が去っていくのは仕方のないこととして受け止めるしかないのではないか。トレーニングの質を下げることはクラブ全体のリスクに繋がる」という助言がありました。最後に全体協議を担当する講師から、「各クラブで様々な課題を抱えているとは思うが、君たちに一番足りないことは山で過ごす時間、山行日数が圧倒的に足りない。行ける限りの時間を山行に費やすことでおのずと今回挙げられたような課題は、解決していくのではないだろうか。」という総括がなされました。
遥か富山湾
 私の担当した3班の活動の概要は以下の通りです。
〈1日目〉研修所内
・講義(ナビゲーション技術)
・登山計画の立案
・装備の確認と準備
・講義(確保理論)
・天気図の作成

〈2日目〉研修所内および所内人口岩場
・講義(夏山の気象と雪氷)
・クライミング基礎技術の習得(ロープの扱い、ギアの携行、ロープの結束)
・アンカーの構築
・マルチピッチクライミングのシステム
・懸垂下降の手順
・テント設営、生活技術
・天気図の作成

〈3日目〉雑穀谷の岩場
・ハーケン、リムーバブルプロテクションの使用方法
・自然の岩場でのリード&フォロー、懸垂下降までの流れ
・天気図の作成
 
〈4日目〉研修所内
・マルチピッチクライミングの実践
・フィックスロープの工作、通過
・ツエルトの設営方法
・講義(クライミングギア、道迷いの実際)
・天気図の作成

〈5日目〉大日岳往復
・読図とナビゲーション
・歩行技術、歩行訓練
・天気図の作成
 

〈6日目〉材木坂、所内人口岩場
・歩荷訓練(研修所~美女平)
・リムーバブルプロテクションでのエイドクライミング
・プルージックコードを使用したロープの登り返し
・危急時を想定した搬送訓練

〈7日目〉研修所内
・講義(登山の医学)
・全体協議/テーマ「部の抱える課題と解決策」
 

6月24日から26日の2泊3日の日程で開催された平成28年度 第1回安全登山指導者中央研修会の報告が大西講師からありましたのでご報告します。

例年同様梅雨空の下、登攀コース16名、読図プランニングコース19名の参加で、624日から26日の23日の日程で開催された。この研修会は、国立登山研修所になって創設された研修会だが、筆者はこの間、ずっと読図プランニングコースにかかわらせていただいてきた。当初手探りではじめた読図指導であったが、小林亘さんが「登山研修」VOL31に書かれておられるとおり、関係された講師の実践の積み重ねで一定の指導過程が確立してきている。地図を読んで、登山計画を立てるというのは、当たり前のことでありながらこれまで体系付けて指導されることはなかったように思う。その意味で、読図が山登りの計画の中心に位置づけられたこのコースの研修生が、今後各山岳会にもどり、普及をしていくことは、長年山を登ってきた者の一人として、嬉しく思う。
4年前の夏に、近年急速に普及してきたGPSを読図プランニングコースにどう取り込むかを課題にして、講師研修会が開催され、読図指導の第一人者である村越真さんを中心にカリキュラムの検討がなされたことがあった。それを受けてその秋から、GPS持参者を特出ししたコースの設定をし、実践が積み重ねる中で検討がすすめられてきたが、そこでの講師陣の一致した見解は、「機器の有効性をさらに発揮するための基礎技術としての紙地図とコンパスに精通することが重要である」ということであった。
今年の研修会で、筆者が担当した研修生はGPSを持参した6名であった。23日という短い日程の中ではポイントを絞らなければ、虻蜂取らずになってしまう。これまでの経緯をも踏まえながら、研修生の学びたい内容をディスカッションして絞り込む中で、「GPSも併用しながら、基本的に紙地図とコンパスについて学び、それをプランニングに役立てていく」という方向性を確認して研修をスタートした。
全体研修では小林亘副主任講師による読図の説明とワークショップ。これにより読図ナビゲーションの基本とコンパスの使い方を学んだ。引き続き班別研修にはいり、地図の正置とコンパス1,2,3の実践を行った後、2日目に歩くコースを決め、そのコースについての研究を行い、いわゆる「ムカデ地図」を作成。小林講師の講義の成果があらわれ、研修生は地形図に首っ丈で地形を読んでいく。最初は個人個人で地図上の明確な地点を書き込み、さらにそれを班の共通の認識として、翌日のプランニングをした。なかにはこういったことがはじめての研修生もいたが、班全体で意見をだしあうことで、少しずつ地形図の読み方がわかってきたようであった。

2日目は総合研修ということで、700から1630まで一日かけて大辻山の想定したコースで前日作成した地図をもとに、リーダー役を交代しながら、前半は登山道の整備された部分で行い、後半は廃道になった部分を精査した。地形図に現れない微地形や地図上の登山道が実際とずれていることへの気づき、さらには日頃は見落としていた地形への着眼など、研修生からは地形図の奥深さや、情報量の多さへの驚き、またコンパスを使うことへの信頼感などが実感できたという感想が寄せられた。
夕食をはさんで、瀬木紀彦講師による概念図のかき方とその意味についての講義があった。読図を基本にしたプランニングにおいては、特定の人間が概念図を理解するのではなく、メンバー全員がかき、そして共通認識をもつことが大事であるという重要な指摘があった。

3日目は700から1030までの3時間半、全く道のない中を藪漕ぎをしながら、想定した尾根を読図するというスタイルで総合研修を行った。6人をさらに3人ずつ2班にわけて、小人数で行ったため、まさに「自分で地形図を読まざるを得ない」状況に追い込まれることになり、結果として非常に中身の濃い研修になったように思う。23日という短い期間の中で、すべてをマスターすることはできないにしても、どの研修生も前向きに取り組んでおられたので、それぞれの目的に応じた研修ができたのではないかと思う。今後、リーダーとして、これをベースにして、安全登山の普及のために一層の活躍してくださることを期待したい。

2016年6月14日~16日に講師研修会が行われました。
 トレーニングルームと野外の人工岩場を利用して,登はんの流れに沿って安全技術の本質を明確に確認しました。主な内容は①ハーネスとロープとの結着,②アンカー構築,③制動確保,④懸垂下降 に関する安全な方法に関する議論と実地検証で、衝撃荷重なども測定しました。特にここ数年に市販された代表的なビレーデバイスの制動特性、使い方、乾いたロープと濡れたロープを用いた場合の制動力の違い、これらのロープを使った懸垂下降時のなどの荷重変化も測定し、より安全な登はん技術について議論を重ねました。これらの成果は6月24日~26日に行われる平成28年度安全登山普及指導者中央研修会(第1回)にも反映される予定です。

平成28年度 国立登山研修所 講師研修会 2016年6月14日~16日9名の講師が安全な登はん技術について実技研修を行いました。
登はんにおける安全技術の検証項目について議論しています。日ごろからの疑問や研修会でよくある質問などにも答えられるように、優先順位をつけて午後から検証に入ります。

ハーネスとロープとの結着方法について,基本の「き」を実技と議論で深めています。

しっかり結び目を締めることの重要性,その具体的な方法,末端処理について,固く締った結び目のほどき方などを確認しています。

アンカー構築の基本を確認しています.流動分散と固定分散について実験をしています

流動分散方式で連結した一つのアンカーポイントが抜けた場合に,抜けなかったもう一つのアンカーポイントに作用する最大荷重を測定しています

マスターポイントにおけるスリングの開き角を分度器で測定します

クローブヒッチで固定分散方式でスリングを連結した場合も実験します

流動分散方式でスリングを連結してから,別のスリングを巻き付けて締め込んだ場合の実験です

アンカーなどの支点における連結したスリングの開き角度と張力との関係を実験している様子です

制動確保システムにおいて,ロープをしっかり握って,グローブした手とロープとの間の摩擦力を効かせます.この摩擦力の測定中です
  
いろいろ器具を使って,落下率0.32で直径9.6 mmのシングルロープを用いた制動確保の時の最終のランニング支点に掛かる張力の変化を測定しています

濡れたロープを用いた制動確保におけるランニング支点に掛かる張力変化も測定します.左横の青い80リットルのバケツに水を張って,毎回ロープを濡らし直します

懸垂下降は最も事故の多い場面です.システム構築の確認と留意点,指導法を検討します
    
濡れたロープを使って,一人で懸垂下降する場合の支点に掛かる荷重を測定中です

救助などの場面を想定して,二人で空中懸垂下降する場合の支点に掛かる荷重を見ています.濡れたロープの場合の実験も行いました

研修結果の整理や解釈を討論しています.測定が難しくて再度検討が必要なものもありましたが,登はんに関する安全技術の本質的な部分について認識を深めることができました.さっそくに研修会にも活かせそうな内容となりました.

5月21日から27日に大学生登山リーダー春山研修会が行われました。

30名の募集定員対し参加者は24名と、少な目の参加者でしたが、4名から6名を一班とする計5班に分かれ、経験豊かな講師陣に引率され各班内容の濃い研修が行われました。
私の受け持った班は4名で、佐々木大輔講師とともに山岳スキーを研修する班です。

研修初日は所内での山行計画と装備のチェック
研修初日は所内での山行計画と装備のチェック
2日目は所内の施設を活用してのロープワーク
2日目は所内の施設を活用してのロープワーク
地形図を確認しながら綿密な計画
地形図を確認しながら綿密な計画
剱岳の模型を使いながらの概念把握
剱岳の模型を使いながらの概念把握
5月23日室堂より入山
5月23日室堂より入山
剱沢の前進基地を目指してハイクアップ
剱沢の前進基地を目指してハイクアップ
天気予報を鑑み翌24日に剱岳へ
天気予報を鑑み翌24日に剱岳へ
平蔵谷の登り
平蔵谷の登り
山頂直下の核心部へ
山頂直下の核心部へ
全員剱岳山頂へ登頂
全員剱岳山頂へ登頂  
お待ちかねの長次郎谷スキー滑降
お待ちかねの長次郎谷スキー滑降
翌25日はあいにくの雨
翌25日はあいにくの雨
予定変更で剱沢周辺ロープワーク研修
予定変更で剱沢周辺ロープワーク研修    
最終日は悪天に負けず搬送訓練
最終日は悪天に負けず搬送訓練
別山乗越からのラストラン
別山乗越からのラストラン
重荷を背負っても上手く滑れるように!
重荷を背負っても上手く滑れるように!
充実した4日間でした。
充実した4日間でした。
研修所に帰ってきた研修生たちは、皆真っ黒に日焼けし充実した面持ち。その横顔に少しだけ大きくなった彼らの姿を見ることが出来ました。
研修所に帰ってきた研修生たち
今後の彼らの成長に期待です!
文・写真 実技講師 杉坂 勉

平成27年度 大学生登山リーダー冬山研修会が行われました。

リーダーシップという観点から挨拶や意思伝達の重要性を知り、登山者としての基本的な警戒心、危機感、想像力、そして体力の必要性を身をもって知ります。登山者としての力をつけながらリーダー研修が進められました。
全体研修では天気、雪崩、医療を専門講師による講義をうけ、各班研修では大学山岳部出身、大学山岳部コーチ、山岳ガイド、警備隊などの講師による実地研修を行います。熱心な講師と意欲のある研修生により今回も良い研修会になりました

リーダーを交代しながら役割分担ホワイトアウトの中で現在地確認25K程の荷物でラッセル登行
前大日岳でのテント設営や雪洞作成夜明けと共に早乙女岳へ出発目標の大日岳へ
薬師岳など遠望できる天候に恵まれた大日岳登頂後、大きな岩陰で、つかぬまの休憩雪崩捜索訓練のデモ
現地では猪熊講師の天気講座 飯田講師の積雪観察も行われたテント内での整理整頓や食事作りも登山の基本講師が傷病者役になり実際に搬送訓練も行います
徒渉の搬送も試行錯誤しながらやりきりました

こうして8日間にわたる研修はあっという間に終わります。知識、技術、感性を学び習得し、熱意をもって部活を行い、充実した大学生活を過ごせるよう、夢と希望を持って挑戦していけるよう、願うしだいです。
私が担当した2班では2名の講師で6名の研修生を担当(島田=同志社大学山岳部コーチ 三戸呂講師=明治大学山岳部OB)

「確保理論ハンドブック」が完成しました。

友の会創立25周年事業として作成した「確保技術ハンドブック」を登山研修所に贈
呈しました。
 

平成27年度の交流会の様子です。

7月11日に国立登山研修所に集合後、参加者全員で楽しい晩餐を行いました。よく12日はチャーターバスで室堂にあがりました。今回の目玉は立山カルデラと火山地形と氷河地形を観察しました。良い天気に恵まれ素晴らしい観察会となりました。

皆さん、ご参加ありがとうございました。

室堂ターミナル屋上で飯田さんから説明を受けました。遊歩道の周りはまだまだ雪がありました。7月の残雪が美しい中、学芸員の説明に熱心に聞き入ります。
飯田さんの説明にも力が入ります。室堂山へは残雪を踏みしめて。羊背岩の説明を聞く
氷河の底で岩は削られたのですね。室堂全体のスケールで聞くとわかりやすいです。立山カルデラの縁にたって。
ツガザクラツガザクラ各写真のコメントです
各写真のコメントです糞に輪ゴムが。ごみは捨てずに下界まで。雪の上でウロウロ。ヒメバチの仲間らしいです。
身振りで。力が入ります!室堂山は絶好の展望台です。室堂山から室堂を見ています。溶岩はここを流れ下ったそうです。